横浜市港北区で唯一の「慢性腰痛」専門整体院 一宇~ITIU~

「サナダから愛をこめて」

藤田紘一郎　著
講談社文庫
ISBN4-06-273328-5

「笑うカイチュウ」シリーズの4冊目。
題名が「サナダからの手紙」だと、きっと猛抗議を受けたことでしょう(笑)

バイオテロや狂牛病、渡航感染症などグローバルな視点からの感染症学です。
移動手段が発達して、人類が世界を飛び回ることができると、当然感染症も世界を飛び回ります。「パンデミック」と呼ばれる現象です。

代表的な例が、実は最近話題に上がっている「梅毒」という性感染症。大航海時代にアメリカ大陸からヨーロッパ圏に持ち込まれ、陸路で日本に伝わることになりますが、「種子島」と呼ばれる銃器よりも早いスピードで広まります。「梅毒は弾丸よりも早い。」というわけです。
そして、その梅毒を治療可能にしたのは「魔法の弾丸」と呼ばれた抗生物質であるペニシリンだったりします。
まあ、「弾丸」繋がりってことで。

それはさておき。著者は自分の身体でサナダムシを飼育するほどの実学主義ですから、当然フィールドワークはお手の物。若いころに熱帯病の調査や研究のために東南アジアに渡ります。そんな各国の「水」事情のアレコレや、日本人の潔癖性からくる免疫力の低下を危惧していたります。
実学から得た各種寄生虫のエピソード、ウイルス性の感染症や数年前に日本国内でも騒がれた「デング熱」の話など、昆虫媒介感染症の話も興味深い。
海外渡航者の為のワクチン摂取をしてくれる病院なんてものもありますの。
「トラベラーズワクチン」と呼ばれています。

このへんの話が興味深いのは、恐らく私自身が感染症の検査に携わった事があるからかもしれませんね。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。