2017/11/08(水)
本「癒す心、治る力」
カテゴリー:お勧めの本
「癒す心、治る力」
癒す心、治る力 (角川文庫) [ アンドルー・ワイル ]
864円
アンドルー・ワイル著
上野圭一訳
角川文庫
ISBN978-4-04-277701-4
アメリカの医学博士の著書です。
そもそも、このドクター。
医師免許を持ちながら、西洋医学は一切捨てて自然療法や今で言う代替医学の研究に走り、世界を股に掛けた調査を行ったツワモノです。
事例紹介、考察、多くの研究から導き出した「治癒」に効果的な方法や習慣。されを阻害する因子、実際の症例に対する対策など、非常に興味深い内容です。
事例については医者に見放された絶望的な患者さんが、市井のセラピストの手によって奇跡的に回復するという様なエピソードが満載。
非常に心が踊りますが、ちょっと待って。
その方法、本当にアナタに合っているんでしょうか?
確かにその患者さんは治りました。
でも、アナタはその患者さんではないので治らない可能性があります。
例えば、癌で。
現代社会でまずは第一選択にするべき治療法を行わず、いきなり代替医療で治療を開始し、手遅れになるケースも多々あります。
その場合、御自身の選択を自己責任として認め、遺族にも一切異を唱えさせないようにしましょう。
セラピスト側は、自分の力の及ばない領域の患者さんについて、自分の能力を過信せず、必要であれば専門医療機関に任せましょう。
どこにかかってどんな検査をすべきかを提示するのもセラピストの役割です。
患者さんにとって、何がベストかを考えましょう。
それはセラピストの自己防衛では無く、患者さんの命と権利を守る為の行動です。
メンツとかポリシーとか売上とかなんて、ドブに捨てて下さい。
アナタの大事なそれらは、患者さんの命や尊厳に比べれば、全く価値の無いものだと私は考えます。
ああ、いけないいけない。
この本の良いところ。
基本的な考えは賛同できます。
「治癒系を阻害する八大要因」は必読です。
世界の代替医療の紹介も興味深いです。
考え方などについては、自分の技術と経験と知識が追いついてから試しましょう。
セラピストが大好きな内容ですが、自分のウツワを超える技術を手に入れるのは、色々と無理があります。
自ずと「ああ、そうか」と腑に落ちる日が来るかもしれません。
私にも色々と「そんなわけがない」と思った事が、「ああ、そうか」と腑に落ちて突然それができるようになった事が多々あります。
背伸びせず、「そんな事もあるんだ」と受け入れて、練習したり努力すれば、その技術が手に入る日がくるかもしれません。
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