横浜市港北区で唯一の「慢性腰痛」専門整体院 一宇~ITIU~

「骨が悪い」シリーズで思い出したものがありました。

側湾症です。
正確な漢字がでませんが、そこは気にせず。

脊柱は椎体が積み木のように積み重なってできています。
椎体はほぼ円柱状ですがわずかに横から見て台形です。
これがバランス良く積み重なって、前後方向でのＳ字状の彎曲ができます。
頚椎前湾　⇒　胸椎後湾　⇒　腰椎前湾　というカタチです。
「生理的湾曲」というバランスの良い体重分散システムです。

前後方向ではＳ字ですが、左右方向ではまっすぐです。
それで左右のバランスがとれてくるハズです。

しかし、左右方向での彎曲が発生するとどうなるか。
左右のバランスが崩れてきます。
肩の高さが違う、骨盤の左右の傾きが出るなどです。
するとどうでしょう。
片方の肩が凝ってきたり、首の片側が痛くなったり、腰や太ももの片側が痺れたりします。
左右方向での彎曲が発生する事を「側湾」言います。

原因不明の思春期の女子に多かったりしますので、昔は学校検診の項目だったりもします。
法律にも記載されていて、学校保健法施行規則の第一章第一節第一条の二「脊柱の疾病及び異常の有無は、形態等について検査し、側わん症等に注意する。」なんて一文があります。
ただし、このあたりは思春期女子を扱う学校検診の複雑な事情から、見落とされて２００８年に訴訟が起きたりしています。

学校保険のアレコレは長くなりますのでさておき。
「モアレ画像」というキーワードで検索すると、実際の側湾症の画像がいくらでも出てきます。
立っている状態から前屈して、背中の高さが違う場合も側湾が疑われます。
最終的にはレントゲン写真での画像診断になるわけです。

で、この状態で何が悪いか。
脊柱が歪む事で、椎体と椎体の隙間から出てくる神経が圧迫されます。
腰痛や痺れの原因になるということです。
左右の湾曲くらいでしたらまだマシかもしれませんが、ねじれが発生すると大変です。

ここで登場するのがカイロプラクティック。
背骨の歪みを直して症状を改善します。
「ココとココがズレていて、神経を圧迫するから痛みが出ています。では直しましょう」と言ってバキバキされます。
これが古典的なイメージです。
最近は、バキバキしない手法が主流のようですが。

椎体のズレや歪みが原因で、症状が出ている。そうかもしれません。
大きく湾曲している場合、アチコチに不調が起きるのは納得できます。
じゃあ、大きく湾曲している人でも症状が出ていない人もいますよね？
大きく湾曲すれば、神経の圧迫が起きるんじゃ無いんですか？

私がこの問題提起をするには理由があります。
私自身が先天側湾だからです。
生まれつき、円柱状であるべき椎体の一部が台形になっていて大きく側湾し、パッと見ではわかりませんが上半身と下半身の中心軸はズレています。
にも関わらず、肩こりや首痛は全くありませんし、腰痛もありません。
以前、脊柱管狭窄症っぽく痺れが出た時期もありますが、現在ではほとんどありません。
私の脊柱は側湾しています。でも症状は出ていません。

これってどういう事ですか？

もちろん、あまりにも側湾が強い場合は治療が必要です。
ちなみに、私は子供の頃にコルセットをしていましたが、ほとんど治りませんでした。
しかしながらこんな感じで、側湾でも問題無い人もいます。
原因を骨格の歪み等に見出すこともあるでしょう。
ですが、その前に必ず確認して下さい。

「生まれつき側湾って事はありませんよね？」

セラピストであれば、そういうケースがあるという事をアタマに入れておくべきです。
その上でゆがみやズレを判断しましょう。
安直に「ゆがみ」＝「不調」と判断される事に怒りを覚える側湾症患者(?)からのお願いでした。

あ、そうそう。陸上短距離金メダリストのウサイン・ボルト氏も側湾だそうです。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。