横浜市港北区で唯一の「慢性腰痛」専門整体院 一宇~ITIU~

立派な腹筋なのは分かる。しかし、その手にした卓球ラケットはなんだい??

あ、そうそう。
この「筋肉シリーズ」ですが、正確な起始と停止、神経支配や作用は詳しくは説明しません。
アナタがセラピストでしたら知っていて当然ですし、学生であれば泣くまで学ぶ部分だからです。それ以外の方の場合、「このへん」くらいで十分だからです。

で。

お腹の筋肉が腰痛に関係があるのか。

あります。

ヒトの身体には、肋骨の下から骨盤の上までの間に、「インターユニット」という箱が出来ます。
胃より先の消化器や肝臓をはじめとする内臓が入るハコです。
脊柱と脊柱周りの筋が後ろ壁、横隔膜が天井、骨盤底筋が床です。そ
れでは、横壁や前壁は何か。

腹部の筋です。

「腹筋」というと、身体の前面のいわゆる「シックスパック」だけが腹筋ではありません。
脇腹にある腹筋やその奥にあるハラマキ状の腹筋もあります。
では、具体的に。

・腹直筋　
　シックスパックです。セミ腹でも良いでしょう。本当は８つですのでエイトパックのハズです。
　体幹の前屈が一番強いと思いますが、側屈や回旋でも動きます。

・外腹斜筋
　斜めに肋骨と腸骨に付着し、内側は腹直筋につながります。
　体幹の回旋が一番強いと思いますが、前屈や側屈でも動きます。

・内腹斜筋
　外腹斜筋の内側です。
　斜めに肋骨と腸骨に付着し、内側は腹直筋につながります。
　体幹の回旋が一番強いと思いますが、前屈や側屈でも動きます。

・腹横筋
　ハラマキまたはコルセット状の筋です。　
　一番深い位置にあり、脊柱の動きには関与しません。
　腹圧や呼吸には大きく関わります。
　しかし、もっと大切な役割があります。
　腕や足を動かす時に、体幹を固定します。
　最近流行りのインナーマッスルというわけです。
　興味深いことに、手足を動かすよりも先に腹横筋が収縮します。
　コルセット状に体幹を引き締めて、手足の動きを安定させると言われる理由です。

・腸腰筋
　正確には「大腰筋」と「腸骨筋」がセットになっています。
　大腰筋は腰椎と大腿骨小転子(股関節内側)を繋ぎ、腸骨筋は腸骨の内壁と、同じく大腿骨小転子を繋ぎます。
　下肢の屈曲と外旋に関わります。特に90°以上屈曲させる時に働きます。

・腰方形筋
　肋骨と腸骨を繋ぎます。
　腰椎の側屈と進展に関わります。
　横っぱらに指が入らないような患者さんは、これが硬いのだと思います。
　
さて。
このへんの筋が腰痛に関与するかどうか。
当然でしょう。
考えるまでもありません。

参考までに私の場合、大腰筋と腸骨筋はセットで施術します。
だいたい両方が硬い場合が多いからです。
大腰筋は長いですから、硬結はできる全域に渡って取ります。
触診も施術も難しいですが、効果は非常に高いです。

実話ですが、私の友人で１０数年腰痛に悩まされている男性がいます。
椎間板ヘルニアで両下肢に痺れが出てしまい、歩行困難に陥りましたのでオペしました。
痺れは取れましたが痛みは残ります。
常に「この動きをすると痛いかどうか」という事を考えながら仕事での作業や日常動作をしています。
理由があって、１０数年ぶりに連絡をとりました。
色々と話を聞いて、ある方法をとって原因部位を特定すると、長腰筋でした。
施術をすると、痛みが半分以上とれました。
あとは別の部位を少しずつ、彼の要望に応じて相談しながら改善しています。
その時に言われて非常にショックでした。

「今まで、お腹を触られた事はなかった。」

何がショックだったのか。
世間のセラピストはその程度なの？
なぜなら、私と私の周囲のセラピストの間では常識なんですよ。このくらいは。
早く広く知られて世間の常識になって欲しいです。
そうすれば、より多くの人の悩みを取り去ることができるからです。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。