横浜市港北区で唯一の「慢性腰痛」専門整体院 一宇~ITIU~

「宇宙生物学で読み解く人体の不思議」
吉田たかよし　著
講談社現代新書
ISBN978-4-06-288226-2

今回は化学です。細胞からさらに物質分子や元素まで掘り下げます。
ナトリウムや炭素、酸素や鉄あたりがテーマになっており、どうやって生命根源のアミノ酸ができたかとか、炭素ではなくケイ素で生命は発生するかなど、題名通り「宇宙生物学」視点で書かれています。

原初地球ができた頃の話から始まり、ナトリウムを取り込む構造で単細胞生物が発生、その後　多細胞生物に進化するわけですが、体内に海と同じ構造を持つ事が必須になるわけです。
では、身体の大部分を占める「水」に対して、不溶性の物質をどうやって溶けるようにしていったか。なんて話題が展開されることになります。話のスジとして。

DNA、ATPなんて基礎生物学のキーワードが出てきますし、ATPがなぜリンを採用したかにというあたりまで、論じられています。
面白いのは「炭水化物抜きダイエットの危険性」という内容で、癌の発生率や心筋梗塞の発生率の上昇について警告をして危険性を示唆した上で、人体への炭水化物の有用性を説いています。モノゴトの両面性を同時に書いてくれているのでとても親切です。

「そもそも、この元素はこういうものだから、それが含まれている何はどういう特性からあるから・・・。」という元素まで遡った論調は、なかなかの説得力があると感じられます。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。